平成初頭の世の中



(承前)
平成の初頭、当時はバブル末期で世の中浮かれていました。
そんな中、突然昭和天皇が重篤な事態に。
世の中重苦しくなって、どこへ行っても自粛、自粛、歌舞音楽には無言のうちに規制がかけられ日本列島を重く雲が垂れ込めていました。

そして1月7日に昭和天皇崩御。
当時82歳で現役の開業医だった父は、別に天皇制に馴染んでいなかったし、南仏ベトナムに軍医として出征していた経験から、巷間言われるような「天皇陛下万歳」など戦地で誰も言わなかったよ、などと天皇陛下には距離を取っていました。

それでもさすがに歳も近く、同時代を生きた天皇陛下崩御にはショックを受けたようで、毎日暗い表情で診察を続けていました。

まあ私の方といえば当時30代、大学卒業後一部上場企業に就職決まっていたのですが、それを取りやめ、自分で私塾を開設しました。
当初こそ経営厳しかったですが、この平成初頭の頃は塾も充実期を迎え、現在の零落ぶりとは月とスッポン、経済的にも順風満帆でした。

火曜日から土曜日まではびっしりと生徒を教え日曜日には熱海か箱根へ行って静養する、そんな今思えば贅沢な暮らしをしていました。
当時誕生まもなかった「リゾートトラスト」の会員権を持っていたため、ホテル代が大変安かったのです。

この時期の1月某日も箱根に繰り出しました。
強羅駅で登山列車降りると、夕刻箱根の山からは物凄い黒煙が舞い上がっていて、何かひどく不吉な思いに打たれました。(続く)



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