とむらい師たち (1968) 監督 三隅研次




ストーリー「映画データベース all cinema」


原作・野坂昭如 
脚本・藤本義一 
主演・勝新太郎 
監督・三隅研次 
撮影・宮川一夫


来る1970年・大阪万博建設会場(造成中)ロケあり。

社会風刺劇です。原作は未読ですが「火垂るの墓」でも皆さんご存知の通り、作家・野坂昭如は反戦魂の固まりのような人ですし、戦後復興でさえも、その経済発展のあり方などに関して、辛辣な意見を小説や特異な言動で表現して来た人ですから。




とむらい師たち―野坂昭如ルネサンス〈5〉 (岩波現代文庫)




主演の勝新太郎が当初演じるのは、死者のデスマスク職人。
死人が出たと聞きつけては家にあがり、親族が望まないにも関わらず石膏を塗りたくりマスクを作っては強引に売りつける。







石膏像 M-465 ベートーベン・デスマスク H.22.5cm




勝も勝だが、死人が出たと聞きつけてやってくる葬儀社同士の衝突もえげつない。
勝には「死者の面影をマスクにして永遠に留める」みたいな矜持があるのに対して、当時超人気の財津一郎らが演じる葬儀社の面々は、「その死者はおれのもの!」と、「死者」を弔うことなく醜くも奪い合い、商売としてしか考えていない。




聞いてチョウダイ 根アカ人生




そこに「人類の進歩と調和」を謳う大阪万博が間もなく開催とあれば、勝新太郎は独立し「葬儀博覧会」の開催をもくろむ。という物語。




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「死」というもの。その本質は痛い、醜いものと言わんばかりに、博覧会に用意させた絵画は「地獄絵」の様相。観覧するご婦人たちに失神者続出・・・(ここらあたりの博覧会の描写は予算不足でとてもチープだけど、それがまた笑える)






そして時代はベトナム戦争が続き、学生運動が頻発する現実。

この時、戦後まもなく20年の日本。野坂昭如はひょっとしたらこう言いたかったのかも。「原爆落とされるわ焼夷弾で焼き尽くされるわ沖縄滅茶苦茶にされるわ、山ほど死んで行った人たちをきちんと「弔う」ことなく、何が「人類の進歩と調和」や!?と。


たぶんそう。だから急転直下、とんでもないラストに。

まるで上映フィルムがぶっ飛んで燃えるみたいな。アメリカ VS ソビエトの冷戦と、核実験・宇宙開発競争がベースにあります。で、日本もそんな時代のなかで、生きるために暗躍していたこともあっただろうし。

実は深いブラックユーモアな一本。おすすめします!




2016年 2月18日
京橋・国立近代美術館フィルムセンター にて鑑賞。




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