流れる (1956) 監督 成瀬巳喜男





ストーリー「映画データベース all cinema」


良いレビュー



↑ この他にもたくさん素晴らしいレビューがあるので、中身には詳しく触れないでおく。

お世話になっている 神田・神保町シアター の開館10周年企画で、歴代累計入場者数ナンバーワンの映画がこれ。

名匠・成瀬巳喜男監督作品っていっても、たぶん何も観たことがない「あかんたれ」の私。たった一日の記念上映会に勇んで出かけました。






夜の最終上映、15分前に着いたけれど神保町シアターは黒山の人だかり(もちろんほとんどシルバー)で「完売です!」のアナウンス。今までこの劇場で入られなかったことが無かったし、ここで満席なんて体験したことがなかったので(実は結構あることに後々気づく)びっくりしてたら、そんな私におっちゃんが近づいてきて。「予定が変わって観られなくなったのでチケットあげます」「いやいやお金払います」「いいですいいです」「いやいや・・・あ、すみません、ありがとうございます!」譲ってもらいました。

しかも整理番号10番台。









東京日本橋、ある芸者の置屋が舞台。そこに住み込み女中として雇われる田中絹代の目線で、芸の道・女の道を生きる人々の姿を、極めて淡々と、まさに「流れる」ように活写したような作品。

「流れる」とはすなわち、息をするかのように出来事は存在し、それぞれが決してドラマチックなものではなく、人はみな身を寄せあうように、すべてを受け入れ流れゆくものなんだと私は理解してみた。

どうしてこの作品がナンバーワンになったのかは、作品の完成度と同時に、そこに結集した女優陣の顔ぶれであることが大きい。





山田五十鈴(1917〜2012)当時39歳。

決して美人顔ではないのに、さりげない仕草から漂う色気。料亭で昔の男を待ち、すっぽかされるシーンで着物の後ろ姿から感じられる「女」としてのプライドと儚さ。



聞き書 女優山田五十鈴







杉村春子(1906〜1997)当時50歳(!?・・・には絶対見えないし、役柄的にも山田五十鈴とおなじくらいなはず) 

彼女の芝居はいつも笑えて、味わいがあって、ちょっぴり毒もあったり。



忘れられないひと、杉村春子







岡田茉莉子(1933〜)当時23歳
スタイル良し。他でも書いたが彼女のシミーズ姿は、観客の期待に応えていたのだと思う。



女優 岡田茉莉子 (文春文庫)






高峰秀子(1924〜2010)当時32歳
芸者の世界に反発し、終始不機嫌な表情。ミシンを練習して独り立ちを目指すけなげさが可愛い。



高峰秀子と十二人の男たち






そして田中絹代(1909〜1977)当時47歳
晩年の彼女は、じっと絶える妻役だったり、でも決して暗くならないのは、つぶらな瞳のおかげのような気がする。



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他におもに戦前に活躍した、栗島すみ子(1902〜1987)は、成瀬監督たってのお願いで、1937年以来の、そしてこれが最後の出演作品だったそうで。










それぞれの女優さんの特集上映を組めば、必ず入ってくる名作なので、こうしてたくさんの人が観たことになったのです。

モノクロ画面に残る、在りし日の東京、人、女。









2017年 7月7日
神田・神保町シアターにて鑑賞




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