日本一の裏切り男 (1968) 監督 須川栄三







ストーリー wikipedia




昭和43年という時代。

そしてそこまで生きてこられた先輩たちの、日本に対する思い。

特に戦後20年が過ぎてもなお、戦争が人生に落とした意味というものを、大人たちはしっかりと受け止め自問自答していたに違いない。朝鮮戦争がありベトナム戦争が進行し、ソ連とアメリカの冷戦・核開発・宇宙競争があり、ひょっとしてまた再び、この国は戦争へ向かうのではないかという恐れと憤り。






植木等と昭和の時代 (別冊宝島 2545)






底抜けに明るく楽しい映画だと思って観たら、そうゆう「裏テーマ」があり。映画の冒頭、特攻隊の植木等は、上官・ハナ肇が天皇陛下の玉音放送を聴き取れないまま出した出撃命令に従い出陣。零戦の故障で米艦に不時着して終戦を知る。植木等は帰還後、米軍の闇物資を売買して稼ぐハナ肇に復讐とばかり罠を仕掛け、物資を強奪して売りさばき現金を手にするが、新貨幣になりただの紙くずに。










以後オムニバス形式で、昭和25年・朝鮮戦争でパチンコ玉の価値が高騰するとして、植木等はパチンコ屋を仕切るヤクザのハナ肇をけしかけて自分が一儲けするも、暴落して一文無しに。昭和43年は東京オリンピックによる土地の買い占めなどで両者が対立し・・・最後は昭和45年(映画でいうところの近未来)、政界に打って出たハナ肇が、利権・しがらみに紛れるうちに、日本が再び戦争が出来る「再軍備法案」可決まで進んでしまう。





↓ リーダーはハナさんだったの(つい忘れがち)


ハナ肇とクレイジー・キャッツ 12CD-1089N







つまり、コメディの体裁をとった戦争および日本批判。ブラックユーモアの名を借りた自虐映画だと見てとれる。この年、野坂昭如原作の 「とむらい師たち」 も公開されていて、に書いた通り、来る大阪万博(1970)のキャッチフレーズ「人類の進歩と調和」とかを謳う前に、日本という国にとってもっと大切なものは何だろうか?という問いかけが、映画=娯楽の世界で成されていたと観るのは、決して考え過ぎではないと思う。






フィギュア! 値段の割には似てないよね?


GOLDENSTAR ゴ-ルデンスタア 日本一の無責任男 植木 等







この映画公開当時、そのメッセージが観客に伝わったか?議論されたかどうかは分からないけれど。で、今観て感じることは、どうして「日本一シリーズ」「クレージーもの」で括ったのか?。コメディの枠でやられると笑って良いのかあかんのか?何かギクシャクしてて、疲れました。

シリアスで行って笑わせるほうが、きっと深い映画になったと思うけど、それじゃあ客は入らないってことかな?

各エピソードで前年公開の007ボンドガールこと、クレージーシリーズ定番のマドンナ、浜美枝さんが登場。お色気というより天真爛漫に華を添えます。






大きな写真「007は二度死ぬ」浜美枝、ザ・なでしこ






フィルム上映で観ましたが状態が悪く。所々色は褪せてるしコマ落ち甚だしく。上映終了が5分くらい早かったような。いつか機会があればDVDで見直したいです。





この映画に関して、かなり深い考察があったので紹介しておきます。興味がある方は必読!
『日本一の裏切り男』徹底解剖・序章




2017年 1月12日
池袋・新文芸坐 にて鑑賞 (フィルム状態が悪いのは劇場のせいではないのであしからず)





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