東京マダムと大阪夫人 (1953) 監督 川島雄三







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面白い! なぜソフト化されずデジタルリマスターされないフィルム上映で観ているのか不思議な気持ちになる。そして、監督の川島雄三はやはりただ者ではないことがよく分かった作品でした。

どこがただ者ではないか?それは今でも笑える喜劇、コメディを作ったから。そう。このwebでも散々紹介してきたが、特に「笑い」というものの賞味期限は短く、チャップリンの(初期サイレントに限らず)名作群のように、時代を超越するような普遍性を含めない限り、「その時代に笑えても、今の時代には笑えない」のが、逆に言えば当たり前だと思えるからだ。





↓ 「花に嵐の映画もあるぞ、サヨナラだけが人生だ」元は漢文の詩で、井伏鱒二の訳詩をアレンジしたものみたい。これずっと川島雄三の名言と思ってた(恥)。


花に嵐の映画もあるぞ






冒頭、ある商社の社宅(平屋建て庭付き)がずらりと並ぶ空撮。そこへNational のトラックが到着します。社宅の奥様たちは群れをなして、トラックから運び出される「電気洗濯機」がどこの誰が買ったものか?羨望やっかみ妬みつらみ丸出しでぞろぞろ後に続きます。だって月賦でさえ買えない「夢の電化製品」ですし、それを買うことが出来た(似たような経済状況の中の倹約なのか?旦那の力量なのか?)という事実に関して奥様たちは大いに盛り上がるわけです。その様が「あらまあ〜ざんす」言葉でガアガアガアと。そのガアガアが社宅入り口の噴水に戯れるアヒルの比喩となっているあたり、下手な演出で見せると「ここが笑いどころよ」みたく逆に笑えないのだが、川島演出になると小気味良く、力が入りすぎてもなく、おもろい。さすが。



例によって深い考察は他の方にまかせるとして ↓

優秀な映画レビュー








何とこの映画(↑写真は別)、大好きな芦川いづみちゃん♡デビュー作だったんです。こののち100本近く出演することになった女優・いづみん(失敬!)の正真正銘初出番〜!さあ、どこでどう出てくるのか?私、固唾を飲んで見守っていたら、ズバッ!バキューン!登場おれ即死です。綺麗とか可愛いとかじゃなく、全然うまく言えませんが、例えば「綿で作った脆弱なお人形さん」が目の前に現れたとして、それを両手のひらにそっとくるむようにして置いて、ふんわり・ふわふわしてあげなければ!と考えてしまうような・・・画にすればこんな感じ? ↓










ちなみにその両手、キンチョーで震えております。 芦川いづみ(当時18歳)SKD 松竹歌劇団出身で、実は川島雄三監督がステージの彼女を見てスカウトしたそうなんです(感謝!)。以来川島監督作品〜ご存知・石原裕次郎の相手役として、のちに裕二郎の奥様になる北原美枝さんとともに大活躍。でもまだまだこれからの33歳という時に、6歳年下の藤竜也さんと結婚、即引退されたのです。





↓ 藤竜也さん。たぶんトレードマークのヒゲが無い頃にご成婚。かなりおしどり夫婦だそうです。


現在進行形の男







左:高橋貞二(数年後、交通事故で33歳の若さで死去)もいい味出してました!








古い喜劇映画を観ていて、劇場に響く笑い声には2種類あって、ひとつは「くだらない」から思わず笑ってしまうもの。「おいおい、なアホな!」と突っ込みたくなる感じ。そしてもうひとつは「面白い」から笑ってしまうもの。この映画は断然後者で、今まで紹介してきた喜劇でも(後者があまりに少ないから)出色の出来と申し上げておきましょう。他にもたくさん触れておきたいツボはあったのですが、これくらいにしておきます。

死ぬまでに、是非の観賞をおススメします!




↓ ヤフオクで見つけたチラシ。








2017年 11月10日
ラピュタ阿佐ヶ谷 にて観賞






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私は未見ですが ↓


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