雨月物語 (1953) 監督 溝口健二






ストーリーほか作品情報: wikipedia





ヴェネツイア国際映画祭銀獅子賞受賞ほか、黒澤明「羅生門 (1950)」に次ぎ、世界的に日本映画が認められた代表作的な一本ながら、誠に日本人として恥ずかしい「未見」でした。まあそれを言えばこのサイトを作り、まるで病気のように「古い」日本映画を(今頃になって)スクリーンで観る日々、その行為によって何か償っているような気持ちもあるのですが。














京マチ子が恐ろしく凄い。他の作品でも感じますが決して派手じゃない。何かふくよかな二重あごの中に本来なら発せられる言葉や感情を含んでいるかのような。つまり多くを語らず表情から、もっと言うなら皮膚、毛穴から、作品ごとにスクリーンの中で生きる「女」を醸し出しているような。

怨霊のようなものも「怨霊です」と言って表現するのではなく、京マチ子のその時の存在そのものが「怨霊」であり、言わずもがなというか。












「白痴」1951年 監督 黒澤明  で原 節子の魅力に心奪われた名優・森 雅之が、ここではその「怨霊」に見初められ囚われて。いつしか陶器を売った金を故郷の妻・田中絹代と小さな息子のもとへ持ち帰り、ささやかながらも平和な日々を続けることを忘れてしまう。我に返り気づいた時にはもう遅いという儚いストーリーと、森 雅之の弟・小沢 栄(のちの小沢栄太郎)が戦国の世に「武士」になりたくて愛妻を捨て、ラッキーにものし上がったものの、女郎屋で堕ちた妻と再会してしまうというストーリーが並行して描かれる。








スコセッシオンスコセッシ―私はキャメラの横で死ぬだろう (映画作家が自身を語る)



↑ マーティンスコセッシ監督。素晴らしい映画を作るだけではなく、映画の保護や復刻にも力を入れているのは周知でしたが、実は彼が初めて感銘を受けた日本映画がこの「雨月物語」だったのです。


M・スコセッシ、「沈黙」に込めた28年の思いを激白「語っても語り尽せない」

↑ によると、14歳の時にこれを観て、やがてそれは2018年公開、原作・遠藤周作の「沈黙」映画化に繋がるという壮大な「縁」があったそうです。しかもスコセッシがニクいのは、「沈黙」のワンシーンに「雨月物語」の小舟のシーンをオマージュして再現しているのです。








湖面に這う霧の中から、小舟が現れる美しさ。これスタジオ撮影なんですが、スコセッシもセットでやってました。凄いことです。





スコセッシさらに凄いのは、彼が主導でこの「雨月物語」を4Kデジタル修復させたこと!ありがとうございますほんとに。












で数年前の東京国際映画祭で上映した時に、その修復に携わったカメラマン(しかも本作の名匠・宮川一夫さんのお弟子さん)のコメント 大友啓史監督、4Kでよみがえった「雨月物語」に感動「まさに映画」 を ↓ 再録しておきます。


 復元を監修したキャメラマンの宮島正弘氏と、大友啓史監督がTOHOシネマズ六本木ヒルズでの上映後にトークショーを実施。1953年の公開当時、宮島氏は小学5年生だったが、後に同作の宮川一夫撮影監督に師事し、「33年、苦楽を共にしたから、本人は言わなかったけれど失敗したなあと思っていたところがすべて分かっちゃう。4Kだからこそできるものがあって、ちょっとだけ現代に合わせたところはあるけれど、宮川さんは『ありがとう。こうしたかったんや』って言うと思う」と手応え十分の様子だ。


・・・ええ話や〜。






↑ メイキング写真。中央前に森雅之、後方中央に監督・溝口健二、右端に宮川一夫。みなさんの表情がプロフェッショナル!





モノクロ画面の濃淡から伺える深み渋みをたっぷり堪能させていただきました。4Kデジタル版、必見です。











2017年 12月25日
角川シネマにて観賞






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買って見ます! 4K出てます〜!


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