スクラップ集団 (1968) 監督 田坂具隆






ストーリーほか作品情報: wikipedia




原作・野坂昭如の社会風刺ブラックコメディ。と言えば 「とむらい師たち (1968) 」監督 三隅研次 がそうだったように、同じ昭和43年公開の作品。だから社会背景が似ているので同じ監督作品かと思うような、前半ドタバタ喜劇テイストで走り、気がつけばいささかこじつけっぽく(今は感じてしまう)当時を風刺してて、何とな〜くぎこちな〜く感じて「終」マーク、観賞したあとの気分までそっくり。


4人の男たち。それぞれのスクラップな生き様が交差していきます。先ずは映画「男はつらいよ」が発表される前年の渥美 清(当時40歳)。


おかしな男 渥美清 (ちくま文庫)







渥美 清演じる「汲み取り屋さん」たちが賃金アップを要求し、ストライキをしているシーンから映画は始まります。渥美 清はある主婦の「うちの地域を汲み取って〜」という切なる願いに組合に内緒で汲取りします。しかしこれがバレて組合から追われ、さらにフリーランスで作業した糞尿を廃坑に遺棄していたことが見つかり警察に終われ、ついに大阪・釜ヶ崎のドヤ街で日雇い労働者として落ち着きます。





今も昔も。


失業と貧困の原点―「釜ヶ崎」五〇年からみえるもの







テレビ「太陽にほえろ」山さん役の露口茂(当時36歳だけど20代に見える若さキラキラだった)は市役所のケースワーカーとして、生活保護者や独居老人(ミヤコ蝶々もその一人)らを訪ね歩き援助や声かけをしている日々。



写真集 七曲署シリーズ 露口茂さんin太陽にほえろ







山さんある日、笠 智衆が住むボロ小屋を訪ねると「実は田舎の土地が売れて移り住むことになったので、今夜お別れの宴に招きたい」と言われます。山さんも「苦労の甲斐があった」と喜んで一献をともにします。しかしその席で、かねてから好意を抱いていた間柄の娘・宮本信子(当時23歳)を抱いてやって欲しいとお願いされるのです。宮本信子の首筋には大きなやけど跡があり、それが原因で引っ越し先でも幸せは掴めないからという理由で懇願されました。山さん固辞しますがそこは笠 智衆たっての願いに折れます。台詞のない無言の宮本信子と一夜をともにした数日後、新聞に笠智衆一家心中の記事が載ります。山さんショックで自責の念に絶えられず役所を辞め、釜ヶ崎に辿り着きます。





宮本信子。私的に初めて意識したのはこれで。もちろん伊丹十三監督の奥様として。


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小沢昭一(当時39歳)は背中に籠を背負い、ひとり営業する街のくず拾い屋さん。


CD版 小沢昭一的 新宿末廣亭 特選三夜







無神経にゴミを捨てる輩にも腹を立てずひたすら拾う小沢昭一。彼は単にその作業が好きと言うかゴミを愛していて、しだいに精神を病んで釜ヶ崎へ。そこに安楽死を研究し実行することに夢中になって職を追われ、釜ヶ崎に来た元医者・三木のり平(当時43歳)がリーダーとして加わり、スクラップ回収・販売業を始めます。リサイクルという言葉が無かった時代。すなわち大量消費時代への警鐘としての比喩だということは分かりました。






三木のり平


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商売は順調に拡大していきますが、やがて三木のり平の独裁ぶりでメンバーはバラバラになってそれぞれの「スクラップ人生」への葛藤が続くという物語。だから前半はハチャメチャでも面白くて良いけどそれを受けきれない重いテーマの後半があるのでギクシャク感じてしまうのです。同時代で観たらどうだったのかな?あくまでも ↓ ポスターデザインのように、もろ「娯楽喜劇」みたく笑えたのかな?と。











ニュープリントだったのかフィルムの状態が良くて、当時の大阪の景色が垣間見られたのは良かった。ちなみに原作は未発表ぽい。



20世紀断層―野坂昭如単行本未収録小説集成〈3〉中・短編小説1







1974年、武道館での写真。左から小沢昭一(2012年没・享年83) 野坂昭如(2015年没・享年85) 永六輔(2016年没・享年83)








2017年 12月21日
ラピュタ阿佐ヶ谷
にて観賞





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