赤線地帯 (1956) 監督 溝口健二






ストーリー「映画データベース all cinema」





巨匠・溝口健二の遺作(病没・享年58)。

1957(昭和32)年4月に施行された「売春禁止法」。その前年の製作・公開作品なので、リアルに法案成立をめぐる国会審議がラジオから流れて来たり、を聞きながら「ワシたちは社会貢献のためにやってるんや!」と息巻く売春宿のボス。気怠い雰囲気で売春婦という職業の現状と未来を憂う女たち。











こうして観ると、同法律成立前後で3本の映画が繋がって見えた。 先ず 洲崎パラダイス 赤信号 (1956) 監督 川島雄三 で売春街の入り口に集う人々を。これから中に入る男女、出て行く男女、見ている女、出戻ろうとする女の姿などに悲哀を感じ、そしてこの「赤線地帯」で揺れる売春街内部の人間模様に胸掻きむしられ、この映画で客を悩殺し巻き上げたお金で布団屋を買い取り、したたかに生き残った若尾文子が、さらに抜け目無くかつたくましく生き抜いていく、法案成立後の売春をめぐる世界を 「女は二度生まれる (1961)」 監督 川島雄三 で。






若尾文子にこんなん迫られたら誰だって堕ちまっせ。







生きるために「女」を売る。世界最古の職業とも言われている売春を蔑む気持ちはさらさらない。しかし蔑視されてしまい、法律でそれを禁止しようとする以上、後ろめたく暗い職業になってしまったことは否めない。

映画でもっとも辛いエピソードとして、三益愛子演じる娼婦の息子が田舎から上京し、客引きする母の姿を見て愕然とする様。母は今まで息子のために働き、上京したなら念願の二人暮らしをしようと、工場に勤める息子のもとを訪ねますが「あんな職業だなんて!2度と会わないで!」と激しく拒絶。あわれ三益愛子はショックで気が触れて施設に収容されてしまいます。あ〜書いていて切なくなってきた。








日本の母みたいな役柄が多い三益愛子(写真右 1910-1982) 渾身の汚れ役。夫は人気作家・川口松太郎で、長男は川口浩〜!(知らなかった)。













舞台は東京・吉原。そこへ神戸からやってきたまさに「パンパン娘」京マチ子(当時32歳)が加わります。自意識過剰気味な役柄、京マチ子の女優っぷりも最高。他にも語りたいこといっぱいあるのですが、他のサイトと同じようになるのでやめときます。 ↓ とても面白いコラムと、売春防止法をめぐる当時のニュース映像を紹介したサイトを貼っておきます。


溝口健二『赤線地帯』|名女優演じる娼婦たちの可笑しくも悲しき人間群像【面白すぎる日本映画 第7回】

『赤線・青線ってなに?』売春法に沸く昭和30年代の日常まとめ4





他のサイトでも触れられているように音楽だけが謎でした。名匠・黛敏郎(まゆずみ・としろう)によるものですが、たぶんテルミンを使った奇妙な効果音みたいな実験・前衛的な?溝口健二本当にOKしたの?て思います。




↓ こんなのめっけ。若い時の写真は初めて見た。・・・そうか若かったんだ。


黛敏郎 日活ジャズセレクション








繰り返し見たくなる、日本映画の宝だと確信しました。

2017年 12月28日
角川シネマ にて観賞






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監督、結構やんちゃだったみたいです。


ラストシーンの余韻: 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 (映画)


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