大阪ど根性物語 どえらい奴 (1965) 監督 鈴木則文










ストーリー&紹介レビュー(トーキョーナガレモノ)





偶然にも名監督のデビュー作、初監督作品を続けて観た。まずはこちら、トラック野郎シリーズやコメディ〜アクション〜ポルノまで。子どものころ映画は観なくても名前だけは知ってました。鈴木則文 (1933-2014)静岡出身。立命館大学中退後、東映京都撮影所に入り、ここでも紹介している巨匠・内田吐夢や山下耕作らの助監督や加藤泰監督らの脚本などを経て監督デビュー。














面白かった!笑った!泣けた! 何より藤田まことが素晴らしい。 「西の王将 東の大将 (1964)」 監督 古澤憲吾 とか 「ドリフターズですよ! 冒険冒険また冒険 (1968) 」監督 和田嘉訓 などでも触れたような、まことさんの「笑わせたる」感がなく(もちろんこれはベタなコメディではないので)主人公の悲哀と葛藤と生き様に胸を打ちます。





藤田まこと (1933-2010)


最期








その恋女房を努めるのが藤純子♡(当時20歳)で、これもまた素晴らしくて。 「十三人の刺客 (1963)」 監督 工藤栄一 や 「幕末残酷物語 (1964) 」監督 加藤泰 の時のようなやわで初心な感じから、芯を持った美しさに変わって行く感じの。 傑作 「明治侠客伝三代目襲名 (1965) 」監督 加藤泰 がこの一ヶ月前に公開されてて、いやそれを考えたらこののち緋牡丹博徒シリーズのお竜へと成長していく前段階の、一番麗しい時期かもしれないなと思ったり。






藤純子♡ あ〜撃ち殺されたい・・・(お竜以前の写真がなかなか見つからなくて)







霊柩車 Wikipedia によると、大正6年に大阪のとある葬儀屋が霊柩車を発明。要はご遺体を車に乗って斎場へ運ぶというのは(英国式に霊柩馬車の発想はあったにせよ)それが初めて。映画はそこらへんのお話をベースに従来の葬儀(都会の大阪でも大行列で歩く葬列だったなんて)から「これからの時代は車や!」と藤田まことが独立するも、様々な妨害にあったりしてそれでも諦めず進んで行く、立身出世物語。






↓ おおお〜こんなん出てました!


The霊柩車―日本人の創造力が生んだ傑作 (ノン・ライブ)








立身出世ものと言えば、二等兵物語 女と兵隊 蚤と兵隊 (1955) 監督 福田晴一 の稿でも触れた、花登筐(はなと・こばこ)原作のドラマ「どてらい男(やつ)」これは大阪商人の物語だけど構造としては一緒。要は浪花のど根性なんです。






子どもの頃欠かさず見てました。どんなに妨害されたりいじわるされても乗り越える生き様。


どてらい男(やつ) (MEG-CD)







話を戻して。およそデビュー作にこそ、その後の作風が全部詰まっている。とはよく言われますが、この映画、スピード・アングル・クローズアップの使い方、則文節が炸裂してましたし、もの凄く丁寧な印象を受けました。これ→ ストーリー&紹介レビュー(トーキョーナガレモノ) によるとこの映画、監督自ら「入り」は悪かったと言ってるみたいですが、作品はほんと素晴らしかったです。






この映画はロケとセットできちんと撮ってた感じ。その後ゲリラ化していくのか。


東映ゲリラ戦記 (単行本)








助監督からの叩き上げで監督に昇格。きっと撮影所全体でも力を入れたのだろう、大正時代のセット・美術も良かったし、主役二人の脇を長門裕之(当時31歳)大村崑(当時34歳)が賑やかに固め、曽我廼家明蝶(そがのや・めいちょう 当時57歳)と浪花千栄子(当時58歳)の夫婦も良し。チョイ役ですが成金の男で青島幸男(当時33歳)も出てました。

こうして年齢を書き出してみると、すなわち監督含めて30代前半の男たちが、スクリーンの中で所狭しと暴れまくっている、まさに活動写真の熱気を感じました。良かった。いや〜ほんまに面白かった!








2018年 1月16日
ラピュタ阿佐ヶ谷  ”コメディ天国 it's 笑 time!” にて観賞










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