美貌に罪あり (1959) 監督 増村保造






ストーリー Movie Walker




増村保造監督作品を続けます。

「美貌に罪あり」。タイトルを読む限り、若尾文子と山本富士子がその色香で男を惑わすような気がしますが全然そうではなくて。でも彼女たちに自覚がなくとも、廻りの男たちにとってそれは「罪な女やな〜」となるわけで(わかる?)そうゆう意味での「美貌に罪あり」てことだと理解。












つまりとにかく美しい。だけでなく謙虚だし、けなげだし、罪が無い。先ず山本富士子(当時28歳)。終始着物姿で日本舞踊家役の勝新太郎(当時28歳・若っ!細っ!)を支えます。結果、勝新太郎のパトロンだった大ママの反感を買い(妬みやね)新進舞踊家として活躍したいのに仕事を干され勝新太郎との仲も悪くなります。しかし山本富士子最後まで諦めません!けなげに前向きに夫を勇気づけていきます。その伴侶ぶりたるや(当時の男尊女卑的感覚がベースにあったとしても)妻の鏡というかあっぱれでございました。












勝新太郎 (1931-1997)  ↑ 翌年公開「新春狸御殿」のスチル。劇中ラストで見せる日舞とバレエをミックスしたかのような創作舞踊は必見!調べて見たら勝さんこの頃全然売れてなかったらしく、同期の市川雷蔵・山本富士子・若尾文子らに遅れを取ってたんだって。












続いて山本富士子の妹役・若尾文子(当時26歳)。幼なじみの川口浩(当時23歳)と一緒に花の栽培をして母親・杉村春子(当時50歳)を助けています。姉の山本富士子はとっくに家を出て自由に生きていることが羨ましくて、羽田空港の花屋さんに花を納品するうちにスチュワーデスになることを決意。互いに惹かれあっていた川口浩を無惨にふって試験に合格。都心のマンションで暮らし始めます。そして同僚たちの影響もあり、お金持ちや御曹司との出逢いに夢を抱く女に変わります。












↑ (これは別映画写真)

三女は野添ひとみ(当時22歳)。聾唖者役で聾唖学校の寮から時々帰ってきますが、彼女の目的は花の栽培所で新種の蘭を研究開発している川崎敬三(当時26歳)。寡黙に研究する姿をじっと見ているだけで幸せ♡。が、川崎敬三は長女の山本富士子にふられ、さらにお見合い結婚寸前まで行ってしまいひとみちゃん傷心でおかしくなってしまいます。












というような三人の女たちの挫折や葛藤が絡み合っての物語なんですが、それらすべてをずぶっ!と突き刺すように骨太な女性が映画を締めくくります。そう、三人の母親・杉村春子 (1909-1997)。








女の一生―杉村春子の生涯







夫に先立たれ、女手ひとつで江戸時代より続く「家」を守り続けてきたプライド。親戚縁者が口々に屋敷の売却をすすめ、娘たちも勝手に家を飛び出し、でもそれぞれの夢を耐え忍ぶように見守る姿勢。そしてラスト、家を手放す決意をした彼女が親戚たちの前でする挨拶の爽快・痛快この上ないこと!(必見です)。

山本富士子と室内で舞う姿も素晴らしかった。















この時代、女性であること。女性として生きることの不自由さは現代とは比べ物にならないくらいあったと思う。基本、女は男に属する立場みたいなのがあったはずで。そんな風潮からいかに脱して行くか?男に属しつつ、我々の先輩たちは闘っていたんだなともこの映画を観ていて感じました。






2017年 12月21日
神田・神保町シアター "女優で見る大映文芸映画の世界"にて観賞















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