競輪上人行状記 (1963) 監督 西村昭五郎







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「けいりんしょうにん ぎょうじょうき」拾い物。傑作。

先ず シネマヴェーラ渋谷 が「西村昭五郎(監督)を再評価する」というタイトルで特集上映してくれたことに感謝したい。










西村昭五郎 (1930-2017)と言えば、元祖日活ロマンポルノの第一作を撮った方であり、誰よりも多くロマンポルノを撮ったことで良く知られ、私なんかは晩年のテレビドラマ演出などで名前は知っておりましたが。こんな小気味良くかつ、名匠・今村昌平の脚本を得て、人間の業を抉り出したようなドラマを撮られていたとはまったく存じ上げず。いや〜感謝、感謝、ほんと素晴らしかった!







上映パンフレットより








興行的に惨敗。哀しい話だけどその時代に受け入れられなかったからこそ、今こうして光が当てられ輝き出しているのかも、なんて言ったら当時の映画人に笑われるかな。先に書いた鈴木則文監督のデビュー作  「大阪ど根性物語 どえらい奴 (1965)」 だって、あんなに面白いのに興行成績は悪かったらしいし、それを言うなら川島雄三の傑作 「しとやかな獣 (1962) 」 なんかも「入り」が悪かったと聞く。川島監督はそれに関して「こうゆう日本映画があっていいと思って作ったので、受けなかったことは残念だし、受けなかったことで日本映画の未来を憂う」みたいなことをどこかで語っていた気がするのですが(記憶違いだったらごめんなさい)、時代とのマッチングってほんと考えさせられます。












田舎の中学校教師だった真面目&堅物・小沢昭一が、兄の死によって実家・お寺の跡継ぎをしなければいけない羽目になり。元々父親(加藤嘉・最高!)の住職とそりが合わず反目していたのですが、実は兄嫁・南田洋子のことが好きだったこともあって、何となく坊主の真似事を始めます。しかし本堂再建の寄付金集めに檀家を廻る日々に疲れ、ふと立ち寄った競輪でまさかのビギナーズラックで大金をゲット。そこから転落が始まります。








競輪文化









要は博打。哀れ小沢昭一は父の預金も使い込み堕落します。しかし落ちるところまで堕ちた時に父が死に、それでようやく改心して京都の本山で修行し住職として再スタートを切ったんですが、また甘い囁きに傾いてノミ屋通いで破産。堕落×2。さあそのあとどうなるのか?は、是非DVDなり動画配信でご確認を。この映画が凄いのは、そこから!。小沢昭一がこのタイミングで出会う渡辺美佐子の怪演が凄まじく。鳥肌立ちました。



渡辺美佐子さん、1987年に本出してました。


ひとり旅 一人芝居







あるレビューにも書かれていましたが、この映画が評価されているのはやはり、今村昌平が手掛けた脚本であること。半年間に渡って西村監督らを含めた数名が今村さんとともに脚本を練り直したそうです。西村さん曰く「今村学校みたいなもので、基本的に今村さんが直して、私たちはそれをもとにディスカッションするというスタイルでした」。そこで今村監督にとって師匠にあたる川島雄三監督が急死し、脚本の直し・詰めができなくなったタイミングで、たぶん鬼のいぬ間に?西村昭五郎監督デビューだったそうです。






演出中の西村監督。







こんな傑作を世に出しても、ヒットしなければ意味が無いのか?その後3年も干された監督はのちに狂ったように「娯楽」を量産し、ロマンポルノも最多作品を手掛けます。追ってレビューしますが、他の作品を観ても特に女性の描き方がねちっこくて♡。強い女たち、その前で男は情けないくらいバカ。この映画でも南田洋子のフツーにしているようでいて漂ってくる妖気とか、渡辺美佐子の(あ〜ネタバレするので言いたくない)とか。いやほんとたまらんです。












左:南田洋子 (1933-2009) 長門裕之さんとのおしどり夫婦、番組司会、色々賑やかな晩年しか知らなかったので、この映画出演は30歳のとき。色艶最高でした。若尾文子さんと同期で、香川京子さんと共演した 「近松物語 (1954)」 監督 溝口健二 も印象的。妖気ということで言えば 「非行少年 若者の砦 (1970) 」監督 藤田敏八 での石橋正次の母親役も良かった。








介護のあのとき―嫁、妻、女優の狭間で (マイ・ブック)









名脇役としてこの当時出まくっていた小沢昭一さん。個人的に実は、笑かせようとする演技が過剰に見えることが多々あって、あまり得意な役者ではなかったのですが、この映画はもちろんコメディではない(結果、転じてコメディ=喜劇なんですけど)ガチの芝居で、人が欲望にすがり堕ちていくしかない表現がすばらしく身につまされる感じで涙。心、抉られました。







小沢昭一 (1929-2012)


あしたのこころだ 小沢昭一的風景を巡る







超おススメです。簡単に観られるんだから是非!

2018年  1月23日
シネマヴェーラ渋谷  ”西村昭五郎を再評価する!” にて観賞












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