強虫女と弱虫男 (1968) 監督 新藤兼人







ストーリー Movie Walker




新藤兼人、脚本・監督作品を続けます。

凄い。

陳腐な言葉で申し訳ない・・・モノクロの画面から迸る「生きる」熱情。観賞後しばらく動けませんでした。内容的に好き・嫌いはあると思います。ここまで体を張って「女」を武器にして「生きる」姿は、見方を変えれば暑苦しくくどくも見えるだろうし。でも私はストライクでした、傑作です。












生きる糧である炭坑が閉鎖し生活保護で暮らす一家。殿山泰司(当時53歳)と乙羽信子(当時44歳)夫妻のもとには19歳の長女、中学生の長男と小学生の次女。一家の大黒柱が働けない、金がない、長男に高校大学行かせたい、となれば「女」使わないとしゃあないでしょ!。お母ちゃんがやると決めたら長女は有無も疑問も躊躇もあるかいなとばかり(←のような普通の映画ならあるような葛藤や説明・台詞は一切なく)母娘は無言で汽車を乗り継ぎ京都まで、人気のネグリジェ・キャバレーに入門します。






↓ プレスシート(是非拡大してお読み下さい)女のタカラを使う時って・・・。








母娘そろってナンバー1ホステス目指し、客たちには炭坑閉鎖から一家離散の悲惨な作り話を聞かせ同情を買い、ここぞと狙った客とは一回だけ寝て、あとはじらして貢がせるだけ貢がせて。「生きる」ため、いや、田舎で金持ちの地主にいじめられ、迫害されながらも暮らしている家族を「食わせる」ため、やれることはとことんやる。手段は選ばない、折れない、逃げない、立ち向かうその姿を観ていると、やっぱりすべての人間は「女」のお腹の中から産まれてきたという当たり前のことが、とても神々しく偉大なことに思えてしまう。






「わてらの武器が錆びんうちにフル回転や〜」








↓ 内容に触れた優秀なレビュー

ヒビコレエイガ


爽快というか痛快です。貧困がテーマですが決して暗くない。母娘も素晴らしいのですが、個人的に超ツボは長女の魅力にハマり、貢ぎ倒して人生狂わしていくバカなおぼっちゃまを演じた観世栄夫(当時41歳)。この方もともと能楽師で  安部公房原作「おとし穴 (1962) 」監督 勅使河原宏  にも狡くてエロい巡査役で出てましたが、厳格な母親に「キャバレーに勤める女と結婚するなんて家の恥!」と罵られれば罵られるほど意地になって堕ちていくさま、おぼっちゃまだったが故のバカさが同姓として観ていてあわれで可笑しかったです。






観世栄夫 (1927-2007)







そういう「男」がいるからこそ「女」を使って稼がないとどうする!?映画のラスト、トラブルでキャバレーをクビになり田舎に戻った母娘は、一晩明けてどんぶり飯を搔っ食らい、もう一度荷物をまとめて家を出ます。「今度は大阪行くか?」「いや負けて逃げたと思われたくないし京都や」「そうや復讐や!」(記憶の台詞なので間違ってたらすみません)と、向かう汽車の中で高笑い。

強すぎ・・・男ってほんと弱虫。






2017年 2月6日
ラピュタ阿佐ヶ谷 ”歳末新春特選 コメディ天国 it's 笑 Time” にて観賞











ソフト化熱望!!!


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