花影 (1961) 監督 川島雄三






ストーリー&為になるレビュー




文豪・大岡昇平の原作。銀座の美貌マダムが、自殺を決意してから過去の男性遍歴を回想する物語。死ぬことが分かっていて見るので何とも重いし、最後には何も死ななくてもええやんと感じてしまう。ま、それを言っちゃあおしまいなんだけど。調べてみると主人公を演じた池内淳子にはモデルの女性がいたらしく、その方は作者の大岡さんも含めた複数の男性と愛人関係にあったそうです。











同じ川島監督の 「女は二度生まれる (1961) 」 や 「雁の寺 (1962) 」 などを観たときにも感じたけれど、この時代、男性が愛人・妾・2号さんを囲うことは、ある種たしなみみたいな感覚があったのだろう。ステイタスというか。(そんなことを言うと女性の方に失礼かもしれないけれど)で、そこに女性としての居場所を求める生き方もあったわけで。でもしかし、そこに「愛」がある限り、どちらかが傷つくのは確実で。池内淳子はその「愛」を渇望し、「愛」あるうちに(言い換えれば求められる若さや美貌のうちに)死んでしまいたいと決意し実行する。






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原作本は当時、新潮社文学賞と毎日出版文化賞を受賞。モデルとなった女性の関係者なんかがリアルに存在したわけなので、小説・映画が出版・公開された当時は今でいうワイドショーネタになっただろうと思いますが、まったく当時を知らない者としては、自殺を美化してどうするの?なんて思ってしまった。事実、近年 ↓ のような研究がされていて、この映画に感化されて自死を選んだ人たちって結構いたかもなんて考えたり。




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↓ 未読です。著者の狙いは「死ぬ」なんて考えずに、「いつでも死ねる」の心持ちでいよう!らしいです。


完全自殺マニュアル







映画の中で有島一郎がせっせと池内淳子に貢いでて、それでも思い通りにならないと見た有島が、池内の頬を強烈にはたき「どうせ女給のくせに!」と吐き捨てるシーンがあったのですが、この男を尊び女を卑しめる関係が当たり前だった昭和の一時代、今じゃ考えられないけどそれが常識だったなんてほんと女性として生きるって大変だったのだろうと思いました。





こんなのめっけ。


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池内淳子、最後の夜、ホステスたちと深夜まで飲み、相乗りタクシーから降りる時に財布を渡して「これで払って、たいして入ってないけど〜」と笑顔で別れ、部屋の鍵を入れた遺書をポストに投函(離れて暮らす母に向けて)し、睡眠薬を飲んで眠る。それで映画は「完」。救いが無いとも言えるし、それによってようやくこの女性が救われたとも考えられます。

花影(かえい)とは月光などで照らされた花の影のこと。ある女性の儚い生き様を象徴するにはもってこいの言葉だと思いました。







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