犬神家の一族 (1976) 監督 市川崑






ストーリーほか作品情報: wikipedia




角川書店という出版社が、二代目・角川春樹を擁して映画製作に乗り出した。今で言うメディアミックスの形を取り、原作本とセットで大々的に宣伝をして映画界に殴り込み。70年代に入り斜陽の時代を迎えていた日本映画界に、その後数年続く活況を呈した。まさに角川春樹は時代の寵児でした。「読んでから見るか?見てから読むか?」というキャッチコピーが至る所で流され、映画のポスターや宣伝もオシャレというか格好いいというか、今で言うトレンドでした。







いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命







その第一弾映画がこの「犬神家の一族」。これ、横溝正史が1951年というから映画の25年も前に発表した小説が原作。ええ〜そんな前だったの?角川書店としても相当ほこりが積もった蔵書だったはず。そこに眼を付けたこともすごいが、それを市川崑に監督させるというのも凄いし、あるサイトによると監督が金田一耕助役に石坂浩二を推した時、誰もが反対したって。なんか分かる気がする。すなわち推理小説モノの色々な常識を破った快作だったわけです。





春日太一さん、ここでも!


市川崑と『犬神家の一族』 (新潮新書)







公開当時11〜12歳ごろだった私は、劇場ではなくテレビ放映で数回見た記憶。さらにテレビシリーズ(金田一耕助役は古谷一行さん)にもハマって欠かさず見てました。今回スクリーンで2時間半じっくりと堪能。市川崑さんのセンス良いタイポグラフィー、斬新というか早すぎるカット割り、短すぎるカット、様々な画像処理といささかエキセントリックすぎに見える演出。今観ると衒い(てらい)を感じつつも、それくらい切り込まないと、あの時代、日本の映画界に風穴は空かなかったのだろうなんて考えたり。





音楽は「ルパン三世」でも有名な大野雄二。独特の旋律は耳に残ります〜


「犬神家の一族」オリジナルサウンドトラック






切り込みました。でもこの映画の大ヒットを受けて次々と量産された「角川映画」を思い返してみると、当時の私はそんな作品群がいささかテレビ的、コマーシャリズム的に見え、どんどん離れて洋画・ハリウッド映画志向になっていった思い出があります。実は今回劇場で観ても、その印象はあります。テレビ放映を意識したのかどうかは分かりませんが、カラー・大作であるにもかかわらずビスタサイズのフレーム。だからテレビ映画を見ている感覚でおりました。2時間サスペンス的なね、へ〜そうだったんだって。






ひとつの「時代」でした。


角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年 (単行本)







何にだって功罪があります。イケイケの時があれば、ダメダメがあるように。東宝・東映・松竹・日活・大映や新東宝だってそんな繰り返しでいくつかは倒産し、角川映画は ↑ にあるようにわずか10年。何が原因かは忘れましたが角川春樹は失脚し獄中に入ったり弟さんが実権握ったり、そこらへんまるで「犬神家」的なドロドロがあったのだろうと想像しつつ。でもこうして今、あの日あの時日本映画を面白くするぞ、誰も観たことのない映画を作るぞ、みたいな熱く燃え滾るような熱意が若き角川春樹の中に漲り、数多のスタッフ・キャストがその血潮に巻き込まれるようにして燃え上がった事実は変えられないわけで。時がたち、例えば「話題」という旬みたいなものが過ぎたからと言って、それで作品の評価というか見方まで変えてしまうのはあかんと思います。が、変えてしまって見ようとする風潮もまた、角川映画みたく突出的に出現した映画作品群があったからなんだと思います。それほどその時々に今で、トレンディーで、一過性で、刺激的すぎたと思います。以上、わたしなりのカドカワ映画考。








すべては、角川映画からはじまった。 (デジタルWalker)








映画「犬神家の一族」に話を戻して。先に紹介した春日太一さんの著作も読んでみたいし、2006年に同じ石坂浩二主演・市川崑監督でリメイクしてます。これ何で??と思っていたので、是非チャンスがあれば(DVDでもええかな?)観て、どう違うのか?何がしたかったのか?何故にまた撮ったのか?とか、考察できればまた追記したいと考えております。

1976年以前にも映画化があったみたいで、それも含めて以後のテレビ版含めた写真比較サイトがあったので是非。

「犬神家の一族・配役比較」サイト これ最高〜!













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