山椒大夫 (1954) 監督 溝口健二





ストーリーほか作品情報: wikipedia




当時のストーリー&解説記事






監督・溝口健二はこれにより1952年「西鶴一代女」53年 「雨月物語」 に続き、なんと3年連続ヴェネチア国際映画祭で受賞するという快挙を成し遂げていたことを今頃知る私、本当に情けない。そんな時代、すでに日本映画が世界の頂点を極め、のちのゴダールやスコセッシなど海外の作家に影響を与えていたことを今更になって知り、本当に嬉しく誇らしく思えるのも事実。 凄いです必見です大傑作です。おれみたいな奴に言われなくとも、まがうことない宝です。











主演女優・香川京子さんの特集上映があったからこそだったのですが、満席の劇場で人生の先輩諸氏たち(シルバー率はんぱなく。っておれも半歩踏み込んでるかも)に紛れながら観賞、ひれ伏した次第。簡単に傑作だとか、死ぬまでに観るべきだとか、当然そう言いますけど、これもしあなた日本に生まれ育つ人ならば、観ないでどうするの?これ観ずして他に何をどうするの?と、ぶっちゃけ思いました。例えば「和食」文化で「うまみ」ってあると思います。その日本では当たり前のそれは、それがない海外の人にとっては異文化でしかなく、異なる習慣、はっきり言ってしまえば無いDNAなわけです。そんな人たちにとっては無いものだからこそ凄いとか、エキゾチックに感じたりとかがあったりするわけで。ならば、そんなDNAをそもそも持っている私たちはどうなのよ?と。話が逸れますが2003年公開のアメリカ映画 『ラストサムライ』(The Last Samurai )Wikipedia で、ハリウッドが、日本の明治維新を描く(描かれてしまった)というDNA的には違和感あるけど面白かったのでまあええか、みたいな逆輸入的に日本を感じるのではなく、日本人がきちんと日本を描いたこの「山椒大夫」を観ることは日本人として常識なのではないかと思ったわけです。













えらくつべこべ書きましたがお許し下さい。ほんと素晴らしく美しく、悲しく、切なく、心に沁み入る傑作でありました。

母・田中絹代と息子・厨子王(ずしおう)、妹・安寿(あんじゅ)この3人の離散の物語。彼らの父親はある藩(幕藩体制以前の時代設定なので正確に言うと違いますが)の領主で、農民たちから尊敬され信仰が厚い人物でしたが、それがアダとなり年貢の取り立てが甘いなどの理由を付けられ、朝廷から左遷され家族と離ればなれにされてしまいます。しばらくのち、田中絹代は二人の子どもと召使い・浪花千栄子とともに父に面会するため旅に出ます。

左から浪花千栄子、厨子王(子ども時代は津川雅彦)田中絹代、安寿(子ども時代)。






何日か過ぎ、ある村で宿を探した所見つかりません。何やらその村では強盗騒ぎがあったらしく「見知らぬ者を泊めてはならぬ」というお触れが出ているとのこと。仕方がないわと野宿の準備をはじめます。が、そこに親切な老婆が現れ「うちに泊まりなさい」と。田中たち「ご親切に甘えます」と招かれ暖かい食事と布団でぐっすり休みます。翌朝、陸路より海を船で渡った方が良い、船頭も用意していると老婆の親切にさらに甘えるように浜辺へ向かうと、そこには二艘の船が。「お母さんと婆やはこっちの船へ」と強引に載せられた船が蹴り出されます、そして子どもたちは悪い男たちに羽交い締めにされ、一瞬にして母と子が離ればなれになってしまいます。ここめちゃくちゃ残酷〜!





船着き場。こののち、母を載せた船は佐渡島へ(浪花千栄子はあわれ海へ突き落とされます)田中絹代は遊女として売られ、泣き叫ぶ子どもたちは人買いに売られ奴隷として暮らすことになります。






厨子王と安寿が奴隷として暮らす、その村を取り仕切る悪党みたいな領主こそが「山椒大夫」と呼ばれる男です。山椒大夫は残酷で働きが悪い奴隷や歯向かう奴隷たちに容赦なく体罰を与えます。熱した焼きごてで、額に印を付けるのです。彼には河野秋武演じる跡継ぎ息子がいたのですが、河野さんはそんな残酷なやり方に反発し、厨子王と安寿にも目をかけて、でもひとり家出をします。やがて成長した厨子王(花柳喜章)と安寿(香川京子)ですが、厨子王はすっかり心が歪んでしまい、山椒大夫の手伝いを進んでして目をかけてもらいます。一方安寿は佐渡から拉致されてきた女性が歌う哀しい歌に「♪厨子王に会いたい〜安寿に会いたい〜」と聞き、それが佐渡島のある遊女が歌い口伝えで流行っている歌であることを知ります。





左:厨子王・花柳喜章(当時30歳) 右:安寿・香川京子(当時23歳)







お母さんは佐渡島にいる!遊女として生きている!安寿は希望を持って兄である厨子王を励まします。が、歪んでしまった厨子王の心は晴れません。そんなある日、二人と同じねぐらで暮らす女性が病気になり、山椒大夫によって使い物にならないとされ、村の外の姨捨山のような場所へ捨てに行かされるよう命じられます。そこで安寿は厨子王に脱走を手引きします。村の外に大きな寺院があり、そこへ逃げれば助けてもらえるだろうこと。その後は元々の身分を朝廷に訴えて奴隷ではなく人間として佐渡島へ渡り母親を見つけること。心が腐っていた厨子王ですが、愛する妹のその瞬時の計画に運をまかせ脱走します。必ず戻って安寿も助け出すと約束して。





写真は香川京子女優生活70年記念「凛たる人生」(ワイズ出版)より。ちなみにこの映画祭でサイン本購入♡。






脱走し寺院に逃げ込むことができた厨子王。そこには山椒大夫の元息子・河野秋武が出家しておりました。なので追っ手も追い払ってもらい、さらに身分を照会して厨子王は見事復権し、しかも山椒大夫をさえ手なずけられる身分を手にします・・・はい、珍しくストーリーを追ってみましたが、ここまでにします。このあとどうなるのか?果たして厨子王と安寿は母・田中絹代と再会できるのか?は、是非皆さんの目と心で確認して下さい。











今まで観た田中絹代のどれも素晴らしいのですが、この山椒大夫における絹代さんもまた涙なくしては観られません。最高の映画体験、みなさまも是非。






2018年 3月18日
池袋・新文芸坐 ”女優人生70年企画 香川京子映画祭” にて観賞








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