激動の昭和史 沖縄決戦 (1971) 監督 岡本喜八







賛否両論レビュー allcinema





すでに 「ダイナマイトどんどん (1978)」 とか 「独立愚連隊 (1959)」 など、岡本喜八監督の代表作品がどうも合わない、「苦手」を宣言してしまっている私ですが、この作品は良かった。第二次大戦で唯一の地上戦、本土決戦を前に捨て石となってしまった沖縄。その表現や歴史認識は置いといて、戦争の持つ恐ろしさと、当時の日本の構造、精神的なものも含め、いかに残酷で理不尽(現在の感覚では理解できない)な世界に満ちあふれていたかをまざまざと見せつけてくれます。敵うわけない相手(米国)に、それでも根性とか大和魂とかを謳い、それを真剣かつ当然かつ絶対的な価値観で押し進め、生きるのではなく死ぬことに美学を求めるなんて。







当時のプレスシートより。安部政権の現在ならここまで書かれただろうか?でも個人的にはまったく同感。そうか、本土返還前に製作されたんですね。








「ひめゆりの塔 (1953) 」監督 今井正 のエピソード(藤田進の軍医が加山雄三、置き去りにされる学生・渡辺美佐子が酒井和歌子で)も加えられ、まさに当時の沖縄が軍・民間人ともに、いかに右往左往させられたかがある種ドキュメントタッチで繰り広げられて行きます。 ↓ 監督のコメントにあるように、容赦ないです。(ちなみに加山雄三と大空真弓のラブシーンはカットされていたような←記憶違っていたらごめんなさい)。









追い詰められた状況で、ザ・軍人の3人:司令官・小林桂樹(当時48歳)、参謀長・丹波哲郎(当時49歳)、高級参謀・仲代達矢(当時38歳)それぞれが見せる表情が日本を表しているようで興味深かった。沖縄が捨て石とされて援軍も補給もないことが分かっても、司令官の小林は「それが軍部の命令なら」と激せず耐え忍び、逆にNo.2の丹波は感情的になり、部下の仲代に「俺と一緒に(特攻して)死んでくれ!」それが軍人としての正しい生き様だ!と叫び逆に仲代になだめられ、仲代は必死で計画を立直し、少しでも民間に犠牲が及ばないようにするも手の打ちようがなくなり、あとはそうゆう上層部を見届けるしかなく。 ↓ にあるように、最後の最後で小林と丹波は切腹するんですね。民間人が多数犠牲になり、兵隊たちは殺されて、降伏という選択は皆無。武士として腹を切って良しとするなんて、まったく馬鹿げているとしか言いようが無い。












そんな日本という国が大嫌いで、でもそんな日本人として教育され生活し、それが使命だみたく押し付けられ、それが常識と叩き込まれて生きるしかなかったこと。それも含めてそれが「戦争」だということ。監督の岡本喜八さんも多くのスタッフも、観客も、そこへの何とも言えない憤り。天皇陛下はありがたい尊い存在であることは確かだけれども、あの時代、そこをシンボルにしてとことんまで曲がりくねってしまった国家、国勢への言いがたい「怒り」。それらがこの作品に満ち溢れていると感じました。






必見です。そうか新藤兼人の脚本か。流石です。感謝!







2018年 5月24日
ラピュタ阿佐ヶ谷  ”岡本喜八 鬼才・奇才・キ才” にて観賞








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