草津紀行

「温泉に浸かること」はかくも楽しいことなのか

「草津よいとこ一度はおいで」の湯もみ唄で有名な草津温泉は、実は避暑地としても人気があるというのは最近知ったこと。この町はただ歩いているだけでも何か楽しい。その理由は何なのか。

それは建築的魅力に富んでいるからだと思う。

日本の狭小住宅や茶室の空間にみるような無駄のない、芸術的な感性に触れられるからだ。
例えば、ある共同浴場は、湯船が四畳半程しかないにも関わらず、広さと奥行きさえ感じる。それは西洋教会のゴシック建築の尖塔ように、上に高く伸びた空間をとることでそう感じさせる。


歴史的、文学的要素もある。
このような温泉町に居ると、戦争なんて何バカな事やっているのかと思うんだろうなぁと、思いながら町を歩いているといつしか広場のような所に出る。ここが湯畑。
湯畑から一際目立つ長い階段の上には光泉寺。ここには安土・桃山時代に生きた近衛前久(龍山)の和歌が残っているという。前久は織田信長とも親交があり、1582年の本能寺の変では、信長と囲碁に興じていた日蓮宗の本因坊日海に命じ、原志摩守宗安に静岡にある西山本門寺までその首を運ばせたという。

白根神社の境内には芭蕉の句の碑もある。
「夏の夜や 谺にあくる 下駄の音」
元禄のころの草津温泉の賑わいを忍ばせる。




滞在中には、天皇皇后両陛下が草津にいらっしゃって、妃殿下がピアノを披露されたりなど町は静かに盛り上がった。





その間、北朝鮮からのミサイルが上空を通過し、Jアラートが鳴った。




町から少し離れ白根山に向かえば山岳の景色も望める。





お薦めは、湯畑そばの「山びこ温泉まんじゅう」の“あげまんじゅう”。