白色申告は、現金主義ではなく発生主義で!



確定申告をするためには帳簿をつけなければなりません。

確定申告とは?帳簿とは?


ところで、「どのタイミングで帳簿をつけるか」については、2つの考え方があります。

収入や支出が確定したタイミングで記帳する「発生主義」と、実際にお金が動いたタイミングで記帳する「現金主義」です。

で、白色申告をするときって「発生主義」で記帳しなければならないんですよ!

そんなわけで、このページでは以下の点について書かれています。

- 「発生主義」と「現金主義」の違いと、具体例
- 「発生主義」「現金主義」それぞれのメリットとデメリット
- 白色申告では、発生主義で記帳する
- どうしても現金主義で記帳したい人のために

発生主義と現金主義の違いと、具体例



発生主義と現金主義の違いを理解するために、こんな例を見てみましょう。



6月10日、1か月の事務所の電気代が確定した。電気代は4,000円であった。お金は後日支払う。

7月10日、1か月の事務所の電気代が確定した。電気代は5,000円であった。お金は後日支払う。

7月15日、コンビニエンスストアで6月確定分と7月確定分の電気代9,000円をまとめて支払った。



さて、あなたならこの場合、どういう風に電気代の帳簿につけるでしょうか?大きく分けて2つの考え方があるんじゃないかと思います。

1. 6月10日に4,000円、7月10日に5,000円を使った
2. 7月15日に9,000円を使った

電気代は、6月分と7月分に分けるべきだと思うよ!

いやいや、お金は7月15日に支払ったんだから、7月15日に9,000円をまとめて計上すればいいんじゃないの?

でも、それだと6月の電気代は0円ってことになるよね?なんかおかしい気がするんだけど。

うーん、でも実際にお金を使ってるのは7月15日だから、やっぱり6月には電気代を使ってないことになるんだけどなあ。

実は、2人のどちらの言い分にも一面的な真理が含まれています。これこそが簿記の2つの考え方そのものです。女の子が「発生主義」を、男の子が「現金主義」を代弁しています。

例に即してまとめると、電気代について「6月10日に4,000円、7月10日に5,000円が発生した」と考えるのが発生主義、「7月15日に9,000円支払った」と考えるのが現金主義の考え方ですね。

【参考】この項に関連して参考になりそうなページ(外部リンク)

- 現金主義会計と発生主義会計の違いを例題で解説します!|Life
- 発生主義と現金主義の違い|個人事業主メモ

発生主義は、経営の実態に強い



会計学になじみのない人からすると「現金主義」のほうがわかりやすいかもしれないけど、経営の実態がわかりやすいのは「発生主義」なんですよ。

さっき例に出した「電気代」みたいな少額なもので2ヶ月払いならまだしも、「火災保険」を2年分一括で計上するときなんかは「現金主義」だとかなりズレが生じることになります。

つまり、2年分の火災保険って24か月間ずーっと恩恵を受けているのに、たった1か月でどかーんと保険料を計上するってことになっちゃいます。残りの23ヶ月は恩恵を受けているのに経費の計上はゼロ。それはあまりにも実状から離れています。

そういう弊害を避けるため、「発生主義」では月割で計算して、毎月の経費としてちょっとずつ計上していきます。そっちのほうが実態にはあっている。

したがって、確定申告をする際には原則として「発生主義」にのっとって記帳しなければなりません。これは青色申告であっても白色申告であっても同じことです。

ここまで書くと、発生主義が万能なようにみえるんだけど、意外とそうでもありません。

現金主義は、現金の出入りに強い



続いて、こんな例を見てみましょう。



6月10日、200,000円の売上があった。お金は7月20日に振り込まれる。

6月25日、従業員の給与として100,000円を支払うことになっているのだが、6月15日現在の預金残高は1円もない。現金もない。



発生主義によって記帳していれば、6月の末時点では「100,000円の黒字」です。

にもかかわらず、このままでは従業員にお金を払うことができません。「黒字なのに給料が払えない」という不思議な状況に陥ってしまいます。

発生主義だと現金の流れ(キャッシュフロー)が浮かび上がりづらいんですよね…。

上の例はごく単純化したものですが、特に資金繰りが苦しい経営者にとって「手元に現金があるかどうか」はかなり重要な問題です。そういう人のために「現金主義」は重宝されるってことが言える。

「発生主義」「現金主義」のメリットとデメリット

まとめるとこんな感じです。


メリット デメリット
発生主義 経営状態がわかりやすい キャッシュフローがわかりづらい
現金主義 キャッシュフローがわかりやすい 経営状態がわかりにくい

白色申告では発生主義で帳簿をつける



このページで何回か言っているように、白色申告では発生主義にのっとって記帳しなければなりません。

とはいえ、ガチガチの発生主義の帳簿である必要もなさそう。

白色申告では、請求書などが残ってさえいれば「現金主義的な」帳簿をつけてもいいみたいです。国税庁が直々に「入金ベースでええんやで」って言ってくれてるんですよ。

ただし年末には「売掛金の残高を記載」しないといけないみたいだから、帳尻だけは「発生主義的」にしといてね…ってことらしい。



(4) 掛売上の取引で保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取つた時に現金売上として記載する。この場合には、年末における売掛金の残高を記載するものとする。


引用元:個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について




【参考】この項に関連して参考になりそうなページ(外部リンク)

- 白色申告は発生主義。科目は売上で。売掛金は使わなくて良い。
- 白色申告も発生主義で記帳する必要がある?|個人事業主メモ
- 白色申告の現金主義はアリ|サラリーマン大家 ヒロキ

青色申告では現金主義も可能



青色申告で一定の条件をみたす場合には、現金主義にのっとった帳簿をつけることも特例として認められています。

- 前々年度の所得が300万円以下である
- 所得税の青色申告承認申請書、現金主義の所得計算による旨の届出書を提出している
- 上記を3月15日、または開業後2ヶ月以内に届け出ている

詳しいことは国税庁のホームページを見てもらうと説明されています。


ただしこの場合、所得税の控除額は65万円ではなく10万円になってしまいます(帳簿をつけるのはその分だけ簡単でもある)。

どうしても現金主義で帳簿をつけたい場合は、そういう手段もあるので頭に入れておくと良いでしょう。

【参考】この項に関連して参考になりそうなページ(外部リンク)

- 現金主義による所得計算の特例を受けるための手続|国税庁
- 小規模事業者の現金主義|森会計事務所

さらに読み進める人のために



「そもそも確定申告ってなんぞ?」って人のためにまとめページ作っています。

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