恋愛自由型 (1958) 監督 佐伯清








優秀で面白いレビュー





美空ひばり×高倉健×佐伯清監督作品を二本立てで。






美空ひばり Wikipedia (1937-1989)








ひばりさん(当時21歳)の主演映画をこうして劇場でフルで観ることができたのは人生初。時々テレビなどの過去の映像としてしか知らなかったので、いつ歌うどう歌うどう踊る?すっかり夢中になっておりました。しかし調べてみるとファンの間では、「ひばり映画」として特に評価が高いわけではないのが分かります。






「美空ひばりが出演した映画ランキング」





 ↑ によると(まあどうゆう基準で選ばれたのかは知りませんが)美空ひばり全出演作155本(多っ!)のなかでこの「恋愛自由型」は87位。次に紹介しようとしている「娘の中の娘」が116位。タイトルだけを見ていくと圧倒的に時代劇もの、ちょんまげ結って股旅姿のひばりさんが歌に剣戟に大活躍!みたいな作風が好まれているのが分かります。でもって、この二本立てはともに現代劇。昭和33年、戦後わずか13年の日本、民主主義や女性同権(もしくは女性の地位向上)が叫ばれている時代の映画です。














ひばりさんこの時21歳。すでに歌姫として絶大な人気を誇っていた彼女の姿。想像して下さい、テレビなんてない時代です。スクリーンに映る美空ひばりのすべて(容姿・立ち居振る舞い・歌声)がきっと観る側にとって憧れであり目標であり、すなわち夢だったであろうこと。だからストーリーなんて正直どうでも良いのです(と言い切ってしまうと悪い気もしますが)。可憐で美しく、ユニークでハッピーエンドだったらOK。分かりやすく、ひねりも裏側が透けて見えて大丈夫って感じ。観客はただただ夢の世界観に酔ってごちそうさま、だったのだろうなと想像します。







左から、江原真ニ郎 (1936-)・美空ひばり・高倉健 (1931-2004)









美空ひばりは溌剌大学生役。彼女の実家は芸者割烹で、ひばりは芸者業に対し疎ましく思っています。そして営む姉夫婦に「芸者なんかやめて堅気になって欲しい」と懇願しております(その芸者業で大学通わせてもらってるんだから何言ってるの?とか思いましたけど)。ある日ひばりは、突然訪ねて来た男、江原真ニ郎の懇願に巻き込まれるように、高倉健(当時27歳)のお見合いをぶち壊すため「にわか恋人」として、お見合いの場に乱入させられます。乱入は成功してお見合いは破談、そして絵に描いたようにひばりと高倉健が接近していきます(分かりやすいっ!)。







健さん、大きく分けて、1:二枚目スター時代 → 2:ギャングスター時代 → 3:任侠時代 → 4:不器用ですから時代 でこの映画は 1。初心で可笑しくて必ず照れ隠しで頭を掻きます。写真は3(強っっ)









結果的に間を取り持った江原真ニ郎は、破談になった健さんの見合い相手と接近し、江原の許婚だった大阪の女が上京して、何故か健さんの家に居候し健さんに夢中になるも、健さんは残酷なくらい寄せ付けず、大阪の女はひばりさんに想いを寄せる変な男と接近します。はい、これで3組のカップルが誕生しました。先に言っておきますが、次に紹介する映画も(監督が同じで製作者の意図もそこにあってのことだと思いますが、3組のカップル誕生めでたしめでたしという構造はまったく同じ(笑)。・・・ええんですそれで。夢があればそれで良し。歌声が散りばめられててそれでオッケー!という映画です。














美空ひばりは高倉健の両親が住む豪邸に招かれます。そこで嫌みな奥様演じさせたら昭和一番の母・沢村貞子 Wikipedia (1908-1996)  に「芸者屋なんてもってのほか!交際は許しません!」と大バッシングされます。驚くことに健さんも「芸者屋の女なんて」ですから、火が付いたひばりさんは一転して姉に志願し、「一流の芸者になって芸者屋が素晴らしいことを証明する!」と稽古を始めます。しかしそのことが通う大学側に知られ、学生会議に呼ばれ吊るし上げられ、さらに新聞記事に取り上げられてしまいます。『大学生が芸者屋でアルバイト!?是か否か!?』しかも実名・写真付き(おー怖)。








沢村貞子 弟に黒澤映画の常連、加東大介。甥に津川雅彦がいたなんて今ごろ知りました。






昭和の大女優「沢村貞子」






ま、そんなこんなあって、ひばりさんと健さんは結ばれるのですが、二人寄り添ってのラストでひばりさんがさらに驚く発言です。





「芸者やめて健さんに尽くす女房になるわ♡」




何ですかこれは?

女性同権とか言う前に、職業に貴賎があることをあからさまにしたような展開。驚きましたがそれが時代なのでしょう。妻は夫を慕い、家事一切を取り仕切るべし。でしょうか?。そうゆう展開でないとこの時代観客(同年代に限らず年配の方々への配慮というか、通念・道徳というか)が納得出来なかったのだろうなと想像しました。

で最後はめでたしカップルが3組、それぞれ腕を組んで二列で歩きながら主題歌を歌います。健さんも歌います♡。背景はたぶん栃木の中禅寺湖。ちなみに次に紹介する映画は富士山バック。同じように同じような三組が歌ってエンドと相成ります。






YOU TUBE 「恋愛自由型」歌唱シーン抜粋





ひばりファンのなかで評価が高くない理由を推測すると、 ↑ 動画を見てもわかるとおり、現代劇に沿った楽曲なのでファンタジーさに欠けるのかな?と。或はこぶしを利かせてなんぼじゃないからかな?とか。
美空ひばり。決して美人じゃない。でも子役時代から培った人気と、まがうこと無い歌声はやっぱり永遠です。








2018年 9月14日
ラピュタ阿佐ヶ谷 ”絢爛 東映文芸映画の宴” にて観賞








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恋愛自由型 [VHS]










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