挽歌 (1957) 監督 五所平之助







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ダンディ♡森雅之出演&原田康子原作映画を二本立て。






昭和を代表する名優 森雅之 Wikipedia (1911-1973) とはいえ、恥ずかしながら私はたった3年ほど前に「古い日本映画」にハマったばかりなので、正直彼の存在、名演技の何をも知らない馬鹿者だったことを懺悔します。








森雅之(別映画)










黒澤映画の常連で、特に三船敏郎と真逆な役柄が多く、そのコントラストが作品の価値を高めていると言っても言い過ぎではありません。まだまだ出演作品を追いかけている最中で偉そうなことは書けませんが、わずかこれだけ ↓ を観ただけでも、森雅之の凄さに痺れました。


「白痴 (1951)」監督 黒澤明 

「雨月物語 (1953) 」監督 溝口健二

「カモとねぎ (1968)」 監督 谷口千吉

「悪い奴ほどよく眠る (1960) 」監督 黒澤明






Wikiによると森さんプライベートでもかなりなプレイボーイだったらしく。でも映画で感じるのは本当に嫌らしさや脂ぎったところがないところ。クールでさらっとしてて包容力があるというか、女性からすれば追いかけたくなる感じの。無茶苦茶男前、ハンサムじゃないところも良い。憧れるけど絶対自分には無理、辿り着けない「紳士」を持っている俳優さんです。 















今回の森雅之、北海道の一軒家に妻・高峰三枝子と暮らしているんですが夫婦仲は微妙。互いに互いを必要としていながら、高峰三枝子は若い(実際若すぎてやや大根芝居時代の)渡辺文雄と不倫してます。その不倫も渡辺から猛烈にアタックされ、高峰さん優しいので拒みきれなくなってしまっている感じ。で、森雅之もそれに感づいていながら、何だか母性ある高峰さんを許しているというか、もはや猛烈になんて戻れない自分自身への引け目を感じているような。そんな森さんの前にひとりの女性が現れます。久我美子(当時26歳)。








久我美子 (1931-) Wikipedia









映画は久我美子のモノローグで始まります。母親がいないけど裕福に育ったお嬢様。でもちょっと「痛い」んです。片手が麻痺しているのかその手をずっとポケットにしまい、「私はなんて不幸せなの」とは言いませんが、ずっとぶつぶつ言ってる感じ。暗い。そんな久我様が、紳士な感じで犬の散歩をしていた森雅之と会ってひと目惚れ。久我様やがて森さんの出張先に行くわ関係するわ、高峰三枝子の不倫を知るわ、さらに高峰さんの母性にも惚れてしまい、森さんが居ない家に乗り込んで二人親友みたいになってしまうわ、そんなこととは露知らず、家に帰ってきた森さん固まります。









「にんじんくらぶ」三大女優の軌跡 久我美子 有馬稲子 岸惠子










原作は当時の大ベストセラー。戦後復興の日本にあって、女性が主張することと「性」の問題がいささかゴシップネタみたくではあるけれど、世間の注目を浴びていた証拠なのでしょう。次に紹介する「白い悪魔」も同じ原作者によるもの。

 原田康子 (1928-2009) Wikipedia 









Wiki によると原作の舞台になった釧路出身で生涯北海道で執筆活動していたそうです。写真がもろに久我美子ぽくてモダンガールな感じ♡。

映画に話を戻すと、久我美子は森雅之も高峰三枝子も大好きで、でもそんなおかしな関係が続くはずがなく、森も高峰も互いの不倫を認め合って別れる選択肢はあるのでしょうが、それは絶対選べない「夫婦」としての絆みたいなのがあり、みんな悶々としたなか、高峰三枝子が自殺します。そう、暗い映画。切ないけど久我美子の性倒錯的な感じが痛々しくて怖くもあり。






当時の解説。









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久我美子、翌年 「彼岸花 (1958) 」監督 小津安二郎 では、親の反対を振り切って若者・渡辺文雄と同棲する役柄。のちに「食いしん坊万歳」のリポーターとかユニークな人柄で人気だった渡辺さんも、この時代はやわな感じ。








渡辺文雄 (1929-2004) Wikipedia








この映画をずっしり重くさせているのは、森雅之のダンディズムと、やはり高峰三枝子の儚さ。








高峰三枝子 (1918-1990) 写真は別映画









この女優、 「点と線 (1958)」 監督 小林恒夫 では体が弱い時刻表オタクの奥様役。夫を愛するあまり夫の愛人を容認し、やがて夫の会社の不正を隠すため愛人を利用して愛人を殺害。刑事の追求に激することなく弱々しくも芯が強そうな対応をしていた姿が儚くて哀しくて、という役柄を演じさせれば世界イチな感じがします。







北海道の自然、釧路の風景が印象的な映画でもありました。















2018年 5月22日
シネマヴェーラ渋谷 ”キネマ洋装店コラボ企画:美しい女優・美しい衣装” にて観賞











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原作がまだ読み継がれているのは嬉しい。DVDも出して欲しい。


挽歌 (新潮文庫)











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