人生劇場 続 飛車角 (1963) 監督 沢島忠






ストーリー allcinema




「人生劇場 飛車角」 の続編です。「続・人生劇場」ではなく、「続・飛車角」なんですね。大ヒットを受け、およそ二ヶ月後の公開です。前作のかっこ良すぎるエンディングに痺れた私。そのまま続きのシーン(大立ち回り)かな?と思いましたが、まさかそんなベタなことはしません。前作で間違いなく悪いヤクザを血祭りにあげ、再び刑務所に入った鶴田浩二が四年後(短っ!)刑務所の門を出るところから物語は始まります。












一方、おとよさん(佐久間良子)は、つるさん(鶴田浩二)の出所を待ちわびながら、華奢な体でおでんの屋台を曳いております。おとよさんを長屋に住まわせ面倒を見るやんちゃなテキ屋・長門裕之(当時29歳)も聞かされるつるさんの男気に惚れ込んでおります。しかしいよいよつるさんが出所するという時になって、おとよさんは前作でまるで二人のために死に散った高倉健との想いに耐えきれず、「わたしはつるさんに会えない」と言い残して姿を消します。前作でも書きましたが、もどかしいよね〜。






左:佐久間良子(おとよ)  右:長門裕之(エントツの坂田)







今度こそ会える!一緒に暮らせる!出所したつるさんガッカリです。でも決して失望を表情に浮かべません。そんな耐えるつるさんの前に、おとよさんと瓜二つの、しかし性格は男勝りで気っぷが良い女が現れます。ピンポーン!佐久間良子ひとり二役。この女、やくざ屋の娘で、当然女はつるさんに惚れます。そしてつるさんもそりゃしゃあないし、惹かれつつも、長門裕之を舎弟に従え、相変わらずやくざ同士のいざこざに骨を折ることになります。






長門裕之 (1934-2011) Wikipedia  ご存知、奥様は南田洋子、弟は津川雅彦、とんでもない(笑)な人生を歩んだおっさんの、青年時代がフィルムに焼き付いてました。










そんなある日、前作でも重要な役柄だった老俠客・吉良常(きらつね)が現れ、「おとよさんは満州にいて馬賊の女になって暮らしている」という情報がもたらされます。つるさんいてもたってもいられません。瓜二つの女も後押ししてくれました。つるさん船に乗って満州に渡り、日本統治に反対してゲリラ活動する馬賊のボスを訪ねます。・・・とここで私、不覚にも(よくあることですが)寝落ちしてしまい・・・気がつけば馬賊のボスとつるさんが見守る中、おとよさん病死しました。抜けた部分、他のレビューを参考に書きますが、馬賊のボスとつるさんは、共通の女を愛したことに加え、侠気というか、スジを通さないやり方に命を賭す生き様に共鳴したみたい。








右:村田英雄








失意のまま帰国したつるさん、ま、そこは瓜二つ女と結ばれて子どもが産まれます。でこのあと最後まで書きますが、満州の馬賊を殲滅させるため、平幹二朗演じるインテリ&ずる賢い政治家が、大金をばらまいて、やくざを満州に渡航させようという計画につるさん立ちふさがります。で大立ち回り〜日本刀で皆殺し〜とはならず、着流し姿のつるさん、低く静かに平幹二朗らを恫喝して騒ぎを収めます。

珍しく血を流さず大仕事を終えたつるさん、ひとり家路につきます。帰り道の屋台で売っていた赤ちゃんをあやすガラガラをひとつ買って。






 ↓ 今どきの。


かる~いチャイムミニ No.3254






あかんね、あかんあかん。



そんなの買って微笑んで夜道歩いてたらあかん。





ほら、つるさんの前にぷるぷる震えた若い男が立ってます。男はかつての舎弟で、満州渡航の大金に目が眩んで組を抜けたヤツでした。

つるさん、優しく声をかけます。


「ま、色々あっただろうが、気が向けばまた顔をだしな」


と去って行くつるさん。男、やにわに拳銃を構え、つるさんの背中に向けて




一発、二発、三発・・・。




つるさん、背中を向けたまま、冬の冷たい地面に崩れ落ちます。その右手には産まれたばかりの息子に渡すガラガラが。



やがて雪が、物言わぬつるさんの紫紺の着流しを白に染め上げて・・・




「完」













確かに途中寝落ちしましたが、これまた渋い一本でした。個人的には満州の馬賊たちが「知っている顔」の日本人で、それがカタコト日本語喋っていたり、中国ロケではないだろうことも分かるし、そういう場面の広げ方がちょっと無理があったかな?と。

あと全然触れてなかったのですが、「人生劇場」の原作者・尾崎士郎は、劇中で青年作家の役・青成瓢吉として投影されていて、実は彼が「飛車角」に惚れ込んで小説を書き大成していくというサイドストーリーというか、原作ではそれが本筋だったそうです。映画では思いっきり飛車角メイン・つるさんメインなんですが。







青成瓢吉役は 梅宮辰夫 (1938-) Wikipedia 後年、ギラギラエロエロやんちゃな番長〜ヤクザになる前の初々しい青年姿がフィルムにあります。


番長時代 ↓


梅宮辰夫 ザ・ベスト








最後に、監督 沢島忠 (1926-2018) Wikipedia は美空ひばりの「ひばり捕物帖」シリーズや時代劇映画、晩年は舞台演出家としても活躍した方ですが、この2本を観賞して凄いなと。特に群衆シーンとカメラワークには唸りました。まだまだ発掘して見ていきます!!!







沢島忠全仕事―ボンゆっくり落ちやいね (ワイズ出版映画文庫)










2018年 10月9日
ラピュタ阿佐ヶ谷 ”絢爛 東映文芸映画の宴” にて観賞









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