青葉繁れる (1974) 監督 岡本喜八






ストーリー Moviewalker

優秀レビュー



面白かった。


岡本喜八監督作品は、ファンの中でもかつ、日本映画史のなかでも名高い、例えば 「独立愚連隊 (1959) 」 も 「ダイナマイトどんどん (1978) 」 も、シリーズ化された 「暗黒街の対決 (1960) 」 とか 傑作誉れ高い 「肉弾 (1968)」 など、個人的に苦手であったことはそれぞれ言及してきたのですが、この「青葉繁れる」は、多少しんどい部分があったにせよ、楽しめました。












青春おバカ映画です。

原作は 井上ひさし (1934-2010) 公式WEBサイト で、井上さんが仙台一校時代に経験し、半自伝的に同名小説として発表したものです。


ふかいことをおもしろく―創作の原点 (100年インタビュー)







彼の名言を。









↑ 創作に携わるすべての人に知って欲しい、実践してほしい座右の銘ですこれは。




を受けての映画化。原作は読んでいないのですが、様々なサイトをチェックしてみておおむね好評のようですので映画化は成功だったと思います。原作者、井上ひさしを投影したかのような(クリソツ)主人公・稔を演じるのは、名優というか怪優と言っても過言ではない、丹波哲郎 (1922-2006)さんの長男・丹波義隆(当時19歳)でこれがほぼ映画デビュー作。いい味出してました。








最近のお姿 丹波義隆 公式WEBサイトより






仙台一校という名門校の中で、この稔と悪友二人の三人組は劣等生。しかも頭の中はエッチな妄想に日々溢れております。夜な夜な三人は稔の部屋に集まって、そこから覗ける隣家の小料理屋の女将・十朱幸代 (当時22歳)を見ながらオナニーしたり(笑)。




十朱幸代 ♡ 常に大人の色香に溢れてます。


愛し続ける私 (単行本)






通学の途中では、すれ違う女子校集団に色目を使い、その中でも誰もが憧れるヒロイン・秋吉久美子(当時20歳)に少しでも近づきたいと考えた3バカは、来る文化祭で両校合同の演劇祭を提案します。演劇の役柄次第では、ヒロインに超接近できるのではないかという下心。





秋吉久美子♡ この広告はもう少し少女時代のものでしょう。にしても可愛い。





そんな時、東京の名門・日比谷高校から、これ以上はないというイケメン男子・草刈正雄(当時24歳)が転校してきます。そして彼もさっそく久美子ちゃんにひと目惚れ。しかしそんなそぶりを見せずに気を惹く作戦で両校演劇部を仕切りはじめ、いかんなくリーダーシップを発揮!さらに演目を「ロミオとジュリエット」にすると勝手に決めて、誰もが納得するように容姿端麗男女こそ主演に相応しいと、草刈&秋吉のカップルが誕生するのでした。





草刈正雄。こりゃアカン。男子誰も敵いません・・・。






草刈正雄は実は、十朱幸代の弟で、イケメンとは裏腹になかなかイイ奴で稔たちとつるんで遊んだりもします。が、秋吉との仲はどうなっているのか?キスはしたのか?アレまで行ったのか?に関してはうまくはぐらかします。




カラーの質感がもろ70年代。テレビ青春映画ぽい。






演劇祭でロミオとジュリエットは抱擁し喝采を浴びますが、秋吉久美子はすぐあと、転校で去っていきます。これで草刈くんも失恋。悶々を隠せない4バカは、女子校の女たちに「今度の日曜日、草刈くんも一緒だから遊ぼう!」と声をかけます。が、そこへやってきたのは(女子の皆様ごめんなさい)小太りでブスで、それでいて積極的な女ひとり。ドン引きの4人は罰ゲームよろしくひとりのバカを残して退散します。残されたバカは行きがかり上というか、やるせない気持ちのまま、無理矢理女を押し倒し行為に及ぼうとします。ここで女は翻って激しく抵抗。バカ男はこうなったら強姦!とばかり強引にスカートに手を入れ、純白のズロースを剥がします。が、剥がしたハズなのにもう一枚ズロース履いてます。女に蹴られ土ぼこりまみれになりながら男はさらに剥がしますがもう一枚。・・・男、完全に萎えてしまって退散。実は女は、女子校の厳しい指導により、





『男子と会う場合、操を守るため、水着着用の上からズロース3枚重ね履き』




を実践していたのでした(さらに水着まで笑)。







丹波義隆の右側・サングラス姿がかっこいい監督・岡本喜八(当時50歳)







そんなシーン、コミカルなんですが、今じゃありえない。男性上位の目線ってのが常識だった時代ならではなんですが、昨今の、例えば男子閣僚なんかが漏らすセクハラ発言を見ても、日本ってそうゆう文化というか、男尊女卑の土台が根強くあるんだなと感じました。

映画はその後もうひと騒動あるのですが、今回はここらへんにしときましょう。田舎の高校の男女が繰り広げる「悶々」、当時の仙台の風景、そして何と言っても秋吉久美子のピチピチな佇まいと、男子さえ惚れてしまいそうな草刈正雄の格好良さ。是非の観賞を〜






ポスター下段のキャッチコピー。これも今じゃ使えません。







2018年 5月17日
ラピュタ阿佐ヶ谷  ”岡本喜八 鬼才・奇才・キ才” にて観賞






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新装版 青葉繁れる (文春文庫)







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