硝子のジョニー 野獣のように見えて (1962) 蔵原惟繕





優秀なレビュー 1


予告編




面白かった。

ぼくの目的はただひとつ、芦川いづみさん♡。

彼女の魅力に関しては今まで散々語ってきましたが、いやいやそれでももっとカルトでキチガイでオタクなファンがたくさんいると思いますので、以下も含めてぼくなんかがいくら「いづみん愛」を述べたところでどーにもならないことは分かっているのですが、それでも可愛い。そしてそれだけじゃなく今回は、かなりの汚れ役、全身泥まみれになりながらの熱演です。そして映画の完成度も高い、異論あるかと思いますが名作です。











「東京マダムと大阪夫人 (1953)」 監督 川島雄三 で銀幕デビュー。そこでも書きましたが、綿あめのようなふわふわした感じの清楚なイメージから、 「あした晴れるか(1960)」監督 中平康 では主役の石原裕次郎を食わんばかりの顔芸炸裂とか、恐らく彼女のキャリアで汚点ぽい(成人映画) 「結婚相談 (1965)」 監督 中平康 など、単に清純派だけにおさまらない演技力、行動力に満ち溢れた女優さんだけに、体当たり演技も当たり前だったのかもしれません。










北海道・釧路の海に面した貧村。父はなく、母親と小さな妹たちと暮らす芦川いづみ(当時27歳)は軽い知的障害者。冒頭いきなり アイ・ジョージ Wikipedia (1933-) 演じる女衒(ぜげん)まがいの屈強な男に
泣く泣く売り飛ばされてしまいます。そうしないと母や妹たちを食わせられないからなんですが、北海道から本州へ向かうトラック(荷台にはそのような女たちばかり)から、いづみん脱走します。そして無賃乗車で飛び乗った列車のなかで 元板前の宍戸錠(当時29歳)と出会い、宍戸のゆく先に強引に付いていきます。





写真は別映画





この宍戸錠、日活映画では「ジョー」と呼ばれてるのですが、いづみんは「ジョニー」と呼んで慕います。先にヒットした「硝子のジョニー」という歌があって(本業歌手のアイ・ジョージの持ち歌)いづみんは「ジョニーが救ってくれる♡」とその歌の世界を現実と信じて疑わず、まさに無垢な心で宍戸錠から離れません。宍戸錠もやがていづみんが愛おしくもなっていくのですが、彼は競輪の予想屋をしながら、ある若者選手の才能に惚れ込み、コーチ役をしたりしてやがて若者が大成する日を夢見ています。





ジョー。晩年は自宅全焼とか息子夫婦と別居とか、独居老人なのが寂しい。





若者には実は彼女がいて、若者は新しい自転車代5万円を投資してくれとジョーにせがみます。つまり本当は競輪選手生活に疲れていて、5万円をもらって彼女と逃げようとしていたのでした。ジョーは昔の女でジョーの料理人としての才能を高く買っていた南田洋子(当時29歳)や色んなところをかけずり回りますがそんな大金工面できません。若者の才能を信じて疑わないジョーは、あるババアの甘い囁きにころっと乗ってしまいます。


「いづみん売ってくれたら5万円」



最悪。しかも女衒のアイ・ジョージが追って来て、いづみん攫われます。さらに5万円をせしめた若者は女と逃げますので、ジョーは激しく自己嫌悪と後悔に苛まれ、包丁一本旅に出ます。





アイ・ジョージ、台詞少なめ、この顔でいづみんを追い詰める姿はターミネーターのアンドロイドみたい。


アイ・ジョージ ゴールデン★ベスト






いづみんを捕らえ列車に乗ろうとしたアイ・ジョージ、ここで同じように被害にあって死んだ女の父親が現れ、アイ・ジョージ刺されてしまい警察沙汰となります。ここでジョージは過去の犯歴があばかれ逮捕され、いづみん自由の身になるはずだったのに、ここでいづみん、手錠をされてベッドに横たわるアイ・ジョージの姿を見て「この男こそ硝子のジョニー♡」と離れようとしません。そしてジョージがなぜ女衒に堕ちたのか?身の上話を語り始めます。かつて歌手だった彼には、将来を約束した女性がおりましたが捨てられ、それが原因で歌えなくなり、逆に女性を売り飛ばす仕事で復讐していたとのこと。刑務所を出たら堅気になると誓うジョージに同情しまくりのいづみん。しかし、退院して収監される朝、ジョージのもとに女の居所が伝えられます。ジョージ、いてもたってもいられなくなり、刑事を倒して脱走、しかし居所に女はおらず、ジョージは再びギターの流しをしながら全国行脚元カノ探しの旅にでます。





今はもうないと思ってたけど、あるんだ「流し」。


流しの仕事術







可哀想というか、あわれなのは芦川いづみです。「硝子のジョニーが救ってくれる」そう信じたそれぞれの男には結果裏切られひとりぼっちに。いづみん再び無賃乗車や、あるときは線路をひたすら歩いて栄養失調で倒れたり、ボロボロに汚れ傷つき、精神状態もおかしくなりながら釧路へと向かいます。そのあわれな姿と、いづみんを捨てて後悔する二人の男それぞれの苦難の生活がフラッシュバックしていきます。ラスト、やっと釧路にたどりついたいづみん。そして同じように、まるでいづみんに吸い寄せられるように男たちも釧路に向かいます。さて、へんてこでシュールなラストシーンは書かないでおきましょう。

撮影も素晴らしい、緊張感をはらんだ演出、構成、見事です。必見。










もっと観たい♡







2018年 11月5日
ラピュタ阿佐ヶ谷 ”Laputa Asagaya 20th anniversary もう一度みたいにおこたえします”にて観賞








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